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飛鳥文化

飛鳥〈あすか〉文化(6世紀末~7世紀半ば(大化の改新の頃まで))

中国では隋によって南北朝が統一され、次いで唐が成立した時代に当たる。593年に推古〈すいこ〉天皇の甥〈おい〉で、摂政〈せっしょう・天皇に代わって政治を行う役職〉となった聖徳太子〈しょうとくたいし・574~622〉が中央集権制を目ざした政治改革と、仏教の奨励に努めた。朝廷の仏教保護によって、皇族・諸豪族の寺院建立〈こんりゅう〉が盛んに行われ、奈良県の飛鳥地方に中国の南北朝時代の仏教文化の影響を受けた仏教文化が成立した。この時代と文化を飛鳥時代・飛鳥文化という。

ア 聖徳太子の事績〈じせき〉

①冠位十二階〈かんいじゅうにかい〉(603)儒教思想に基づいて十二階の冠位という階級を設ける(「大徳・小徳・大仁・小仁・大礼・小礼・大信・小信・大義・小義・大智・小智」の十二階)。個人の才能・功績に応じて冠位を授与し昇進させ、それまでの世襲制〈せしゅうせい〉から官僚制への改革を目指した。

②憲法十七条〈けんぽうじゅうしちじょう〉(604):最初の成文法。仏教・儒教に基づく政治道徳を説き、天皇中心の政治体制をめざす。次のような十七の条文で成る。

「一曰、以和為貴。無忤為宗。」・「二曰、篤敬三宝。三宝者仏法僧也。」

「三曰、承詔必謹。君則天之、臣則地之。」

③607年、小野妹子〈おののいもこ〉を遣隋使として、煬帝〈ようだい〉のもとに派遣する。それによって大陸文化の積極的な摂取〈せっしゅ〉が始まった。

④594年、仏教興隆の詔〈みことのり〉を発し、仏教を国家規模で発展させる。

『三教義疏〈さんぎょうぎしょ〉』(『勝鬘経〈しょうまんぎょう〉』『維摩経〈ゆいまぎょう〉』『法華経〈ほけきょう〉』の注釈)を著〈あらわ〉す。

「天寿国繍帳銘文〈てんじゅこくしゅうちょうめいぶん〉」に「世間虚仮。唯仏是真」という聖徳太子の言葉が記され、仏教に対する最初の思想的理解を示すものとされる。

イ 美術

①建築:有力豪族が古墳に代わる権威の象徴として氏寺〈うじでら〉を建立する。

氏寺:氏族が一門の冥福〈めいふく〉と現世の利益とを祈るために建てて信仰した寺。

飛鳥寺〈あすかでら・法興寺〉(蘇我氏の氏寺。日本最古の寺院)

広隆寺〈こうりゅうじ〉(秦〈はた〉氏の氏寺)

法隆寺〈ほうりゅうじ〉:607年、聖徳太子が建立。670年、焼失後に再建。

現存する世界最古の木造建築。工ンタシスの柱を持つ。

②彫刻

北魏様式:整った厳しい表情を持つ。

釈迦如来〈しゃかにょらい〉像(飛鳥寺・鞍作鳥〈くらつくりのとり・止利仏師〉作)

法隆寺金堂釈迦三尊〈ほうりゅうじこんどうしゃかさんそん〉像(鞍作鳥作)

救世観音〈ぐぜかんのん〉像(法隆寺夢殿)

南梁様式:温かみがあって崇高な印象を持つ。

百済観音〈くだらかんのん〉像(法隆寺)

中宮寺や広隆寺の弥勒菩薩〈みろくぼさつ〉像(半跏思惟〈はんかしゆい〉像)

③絵画・工芸

天寿国繍帳〈てんじゅこくしゅうちょう〉(中宮寺):聖徳太子追悼のため作成される。現存する最古の刺繍〈ししゅう〉

法隆寺玉虫厨子〈ほうりゅうじたまむしのずし〉:台座に本生譚〈ほんしょうたん〉(釈迦の前生における善行を説いたもの)を主題とした絵画を描く。

*忍冬唐草文様〈にんどうからくさもんよう〉:忍冬(すいかかずら・金銀花)のようなつる草を図案化した文様。法隆寺玉虫厨子など、飛鳥時代の工芸品に見られる。エジプト・アッシリアに起源がある。

文章来源:华兴日本语(www.yalianedu.com)

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